ケアマネージャーっていう言葉を最近よく耳にするんだけど、実はどういう意味か知らなくて・・・ 介護施設で働く人の中でリーダー的な人のことなのかな?
うーん・・・介護には関係あるけど、リーダーという意味ではないよ。ケアマネージャーは、介護を受ける必要がある人と介護サービスを提供する事業所との間の橋渡しをする職業のことだよ。
橋渡し? どうしてそんな職業が必要なの?
そうだね、じゃあ逆に聞くけど、もし君が病気で目が見えなくなり足も悪くなったとして、どうやって介護サービス会社を選ぶの?
目が見えないからパソコンで検索することもできないよ。
そっ・・・それは・・・・
介護が必要になるということは、身体的に何か問題を抱えていることがほとんどなんだ。そういった方に、適切な介護サービスを受けてもらうには専門の知識をもったアドバイザー(相談役)が欠かせない。介護が必要になった方のニーズをくみ取り、その方に合った介護サービス会社を紹介する。そしてその後も、その方の状態を常に把握して、より良い介護サービスが受けられるように支援していく。これがケアマネージャーの仕事だよ。

介護が必要になった方が、自分だけでサービス会社を選んだり、連絡をとったりすることは簡単ではないんだ。わかった?

はっ、はい!わかりました!

ケアマネージャーの仕事内容

ケアマネージャーが介護において、大事な職業だということはわかったわ。でも具体的にどういう仕事をするのか教えて欲しいわ。
OK! まず、ケアマネージャーの目的は介護を受ける人やその家族を支援することなんだ。ケアマネージャーのことを日本語では「介護支援専門員」と言うしね。一般的にはケアマネージャーやケアマネの方が浸透しているけど・・・
へぇ~、支援することが目的なんだ・・・
そう!ケアマネージャーはまず要介護者のニーズを把握して分析することから仕事を始めるんだ。(介護が必要な人のことを要介護者といいます。)

要介護者はできるだけ今までと同じように生活したいと思っているので、そのためにはどうすればいいのか、現状では何ができて何ができないのか、実際に要介護者に会って確かめるんだ。

この業務のことをヒアリングといって、この結果からニーズや課題を分析して必要なサービスを要介護者に提案するんだ。(課題分析することをアセスメントといいます。)

そして、その提案を要介護者が承諾したらケアプランの作成という流れになるんだ。

なるほど、ケアマネージャーが要介護者の代わりにいろいろなサービスの手配をしてくれるのね。ニーズの把握もしてくれるのは要介護者にとっては心強いわ。でも、話しにくいケアマネージャーさんだったら、要介護者の方も本音を言いづらいわね。
そうだね。だからケアマネージャーには、初対面でも相手の本音を引き出すための高いコミュニケーション能力と、少ない情報でもニーズを把握するための洞察力が要求されるんだ。そして、何よりも要介護者の立場に立って親身に相談に乗ってくれる人、こういう人がいいケアマネージャーさんだと思うよ。
そうね、そういう人が担当だと嬉しいわね。まぁ、うちのおばあちゃんなんかは物凄くおしゃべりだから、自分からニーズをベラベラしゃべりそうだけどね・・・
ははは! そういう方だとケアマネージャーはありがたいだろうね!

では、ケアマネージャーの他の業務も紹介するよ。

ケアプラン(サービス計画書)は、どういう介護サービスをどの程度利用していくのかということを書くんだ。そして、このケアプランに沿って実際に介護サービスは提供されることになる。
医療には医師の書く「処方せん」があるけど、介護の中での処方せんのような役割かな。

ちなみに、このケアプランを作成してもらうには介護サービス計画費という費用がかかるんだ。でも、介護サービス計画費は全額介護保険から給付されるので、利用者の自己負担額は0円で済むんだ。

お金を払わなくてもいいのは安心だね。

この介護サービス計画費がケアマネージャーの収入源ということになる。

なるほど!じゃあケアマネージャーはできるだけたくさんのケアプランを立てれば、収入がよくなるのね!
うん、確かにそういきたいところなんだけど、一人のケアマネージャーが担当できる利用者数には上限が決められているし、あまり多くの人数を担当すると各利用者さんとのコミュニケーションが希薄になって、良い支援ができなくなってしまうかもしれないんだ。

それに、ひとりの利用者さんについてもまだまだやる仕事はたくさんあるので、なかなかそう上手くはいかないのが現実かな。

そうなのね。まだ他にも仕事があるのね。どんな仕事なのかしら?
まず、サービス担当者会議(ケアカンファレンス)だね。ケアマネージャーと利用者本人、その家族、サービス提供事業所の各担当者が集まって、ケアプランの確認・修正を話し合う会議を行うんだ。利用者の状況は刻一刻と変化するからね。

それから定期的な訪問とモニタリング(再評価)もしなくてはならない。さっきも言ったように、身体的に弱っている要介護者の状況は刻一刻と変化するから、常に利用者の様子や変化を確認して再評価や分析を行い、それを各サービス提供事業者に伝えなければならない。

時には医療機関との連携も必要になってくるね。

あとは、主に事務作業かな。

介護支援サービスの記録(*毎月の訪問記録や本人の経過記録、サービス担当者会議、サービス事業所とのFAXや話し合いの内容などを記録します。)

給付管理業務(*サービス利用票やサービス提供票等を基に、利用者に対してサービスが計画どおり提供されたかを毎月確認して、サービス提供事業者に保険者(市町村)から介護報酬が適正に支払わたか、利用者からの利用料も適正に徴収されたかを管理します。)
こういった業務もこなしていかなくてはならないんだ。

たいへん! それにとても責任重大な仕事だわ!
そうだね。これを全部しようと思うと、効率の良い訪問計画と時間管理能力がケアマネージャーには必要だね。

それに、利用者の命にも関わることがあるから責任重大だと思う。

お金儲けとか、楽そうとかいう類の仕事ではないわね。本当に社会貢献をするんだという強い気持ちがないとできないわ。
うん!ケアマネージャーとして仕事を続けるためには、その気持ちが一番大事かもしれないね。

でも気持ちだけで続けるのは正直つらいから、僕はケアマネージャーの処遇改善のために、介護保険制度の改善や業務の効率化が進むことを願うよ。

うん!私もそうなって欲しいわ。

今回はいろいろと勉強になったわ。ありがとう!

関連リンク

介護,福祉の資格一覧「年収☆難易度☆将来性」ランキング