介護の職場では女性の活躍が多く目立ちますが、男性でも同じように介護に興味を持ち、介護士となるケースも珍しくはありません。
しかし目指す人が全体的に少ないのにはさまざまな問題があるのも現状です。今回は男性介護士の現状や今後について迫ってみましょう。

男性介護士に求められることと待遇

男性介護士の場合、女性介護士よりも体力面で勝っていることがほとんどなので、体力仕事でもある介護職に関しては非常に向いていると考えられます。

男性介護士

人のお世話をするという考え方でいえば、コミュニケーション能力などは女性のほうが柔軟に対応できるケースが多いですが、男性であってもこれらは性格や経験次第で対応できるもの。そういった面で言えば、男性介護士には体力を活かしながら、長く現場で働いてもらうことが何よりも求められているはずです。

しかし現実には厳しく、女性と同様に離職率が高いといえるでしょう。問題なのはやはり賃金の安さ。

賃金の安さ

体力を消耗する酷な仕事のわりには十分な稼ぎが得られないために、将来を心配している人が多いはずです。女性よりも男性のほうが賃金は高めに設定されていることが多いですが、それでも決して満足できる金額ではないというのが現状なのです。離職率を減らすためにはまず、賃金面の改善が最優先されることが望まれるでしょう。

独身、既婚者から見た将来像

男性介護士の場合、将来を見据えた上で、介護の職場が好きでもどうしても離れざるを得ない状況というのもあります。
独身のうちはまだ何とかなったとしても、結婚して子どもができ、家族を養っていく立場になる人は多いことでしょう。

既婚者には家族を養うことが難しい

そうなったときに介護職では収入面でとても足りず、転職せざるを得ない状況に陥ってしまうのです。

介護の上位職を目指し、資格習得を考える人も多いかもしれませんが、経験やその後のことも考えれば独身のうちにそれらを行い、将来を安定させておきたいところ。
しかし資格をとったとしても若いうちは需要があまりなく、決して高くない賃金で辛抱強く介護の職場で働かざるをえないのです。

既婚者の場合は共働きであれば、配偶者の稼ぎもあって多少は余裕が出てくるかもしれませんが、子育てをするとなればそれなりのお金がかかってくるもの。
将来的に賃金アップが望めないとなれば、思い切った判断が必要になる可能性もあります。そのため夫婦でよく話し合い、今後の仕事の方向性を決める必要がでてくるでしょう。

経営者、上位職の男性が増えることで変わる現場

近年は民間企業が介護や福祉事業に関わるケースが増えてきています。それらの経営者のなかには男性も多いですから、さらなる活躍が期待されるでしょう。
さらに今現役で働いている介護職の男性が今後上位職となってくれば、介護や福祉の現場で働きやすい環境を作ろうとする動きもでてくるかもしれません。
いまはまだしばらく厳しい状況が続きそうですが、少しずつ改善する見込みはあります。

もしあなたが介護の仕事が好きで続けたいと考えているのであれば、自身もそんな一人になれるように介護職を続けていくのもひとつの手かもしれません。