私たち家族がサポートできること・認知症との付き合い方⑤

今日は「私たち家族がサポートできること・認知症との付き合い方」の総まとめとしてお話させてもらおうと思ってるんだ。

大切な家族が認知症と診断されたら

前回まで認知症の人の世界介護する家族の人の心あと認知症のこんな時の対処法を教わって大変興味深く聞かせて頂いたわ。介護する家族の気持ちが少し見えてきた気がします!
そう言って頂けると嬉しいよ!
けどね、理解しているつもりでも、家族の人が認知症の診断されたときには頭が真っ白になったという話を耳にするんだ。心のどこかに、「認知症になるはずがない」気持ちが大きいんだろうね。
僕が多くの人に知ってほしいことは、認知症は決してめずらしい病気ではないこと、そして認知症の正しい知識をひとつでも多く理解して欲しいと思っているよ。
うんうん。おっしゃる通りです。奥が深くてこんなにも認知症が身近なものとは考えてなかったわ。
認知症も他のポピュラーな病気として同じく進行が進むと完治するのが困難な癌も同じことが言えると思うんだ。病気と立ち向かうためには周りにいる家族のサポートがどれだけ大事になると思う?
病気になったおかげで家族の大切さやあり方を再確認できることもあるよね。
確かに・・・病気にならない見えてこないことがあるかもしれないね。だからこそ、現実に背を向けるのではなく受け止めてあるがままに受け入れらる気持ちを持っておける人間になっておきたいわ!今回がいい機会になったと私は思うの!

「がんばり過ぎない介護」を心に留めてく

最近では認認介護(介護する人もされる人も認知症)と言われたり、老老介護(介護する人も介護される人も高齢者)だったり、家族も患者になりかかっているのが現状と言われてるんだよ。
介護を長続きするためにも一番大切なことは介護する家族がまず健康であることが大前提だよね!
高齢化社会でこれからもどんどん増えていくでしょうね。どうしても一人で介護しなくてはいけない状況で頑張って介護している人はたくさんいると思うの。そんな時はどうすればいいの?
そうだね。以前にお話しした対応するサービスなども今は徐々に充実しつつあるし、何より、生活のずべてを介護に費やすことだけは避けてほしいな。
難しいかもしれないけど介護は生活の一部だと考えて自分の人生も大切にしていくことが大切だよ。
そうね。家族の息抜きのために介護保険のサービスがあると思えば、率先して利用しようと考えるかもしれないよね。
ほら、主婦の人が上手に手抜きをして家事をこなすように介護する人も上手に手抜き介護してみないかな?これは、認知症の人の面倒をみないというわけではなく、楽な介護を考えながら生活をしていこうという意味だよ!

認知症事故からみる家族での介護の限界

2007年愛知県大府市で当時91歳の認知症(要介護4)の男性が電車にはねられ死亡した事故の裁判でJR東海が約720万円の賠償支払いを要求し名古屋高裁は妻に対して約360万円の賠償を命じました。


この判決に対して皆様はどう思われたでしょうか?

もう少し詳しく説明すると、認知症の男性を介護していたのは当時85歳の妻と近くに住む長男夫婦だったんだ。また、週6日のデイサービスを利用されてたみたいでね、この日はデイサービスから戻ってきて目を離した隙に外に出たようなんだ。
そう・・・・それはお気の毒に・・・
先程言っていた「老老介護」の実態よね。デイサービスも利用してできる範囲で自宅で介護されてたのね。ご立派だわ。
あぁ、今回の介護のケースはこの家族だけじゃなく他にも大勢いるよ。裁判ではJR側にも監視が不十分だということで減額はしたけど、何より妻に賠償責任を負わせる結果になったんだ。
えぇぇ!!それはちょっと賛成できないわ!家族の立場だったら、納得なんて到底できないでしょー!?精一杯介護しているのに、これじゃぁ事故を防ぐためにも24時間監視して一歩も外に出れないように閉じ込めて監視しろって言ってることじゃないの?
たぶん君の言う通り、今回の裁判の結果を受けて認知症の人を介護されてる家族の人は同じ気持ちを抱いただろうね。これが今の認知症の人に関わる現実なんだと思うと少し僕も残念だな。

社会と地域で見守る

今回の事件を機に事故を防ぐ対策はできたとしても100%防ぐことは神でない限りできないよね。そのたびに被害者でもある家族に自己責任を負わせるのは僕は少しおかしいと思うよ。
社会問題としてこれからの認知症政策を社会全体でどう関わっていくかぜひ検討していくべきじゃないかな。国が推奨している認知症サポーターキャラバンなど地域が認知症の人と家族が安心して住みやすいまちづくりとして事業を実施して徐々には実績がでている地域はありますがまだまだ成果として表に現れてないのが現実だからこれからもっともっと、公に活動の輪を広めていきたいね。