これまで認知症の種類や原因、予防方法について説明させてもらったけど、もし認知症を発症した場合にどう対応すればいいのかこれからの章でお話するね!
まだまだ先は長いけど大丈夫?
えぇ、もちろん!ここからが大切なところだからじっくり聞かせていただくわ!!

薬の見落としがちな点

OK!!これまで言ったように認知症を完治する方法はまだ見つかっていないんだ。じゃぁなんのための治療かと言うと、まだ脳に残っている正常な細胞を適切な薬を用いてそれ以上悪くならないようにするための治療を行っているんだ。残念なことに今の医療はそれが限界でもあって・・・。
残念ことよね・・・・・でも何もしないよりは薬を飲むことによって進行を遅らすことができるならしたほうがいいに違いないわよ!
そう。ただ注意しなくちゃいけないことがあって、認知症の種類によってはまれに悪化してしまうものがあるから、どれも薬を飲んだら進行を遅らせることができるものではないんだよ。

認知症の症状の現れ方が人それぞれあるように薬の数も同じようにあればいいけれど今現状限られた数だから、中には薬が合わないことで症状が悪化してしまうケースがあるんだね。

薬を飲んで症状が悪化してしまうことがあることを身近な家族は知っておく必要があるわね・・
薬を処方する主治医は認知症の人を46時中観察してるわけじゃないから介護する身近な家族の存在が重要になるんだ。

僕はちょっとしたことでも、日頃から日記みたいに今日の症状を書き留めておくことをお勧めするよ。診察のとき日頃の様子を上手に説明ができて主治医も認知症の進行の状況に合わせて適切に薬の量を調整できるからね。本人が説明できればいいけど、認知症の人は進行が進むにつれて「自分が病気だ」ということさえわからなくなってしまうんだ。

認知症の人を取り囲んだコミュニケーションが必要

そうよね・・・・本人が伝えたいことを家族がきちんと医者に伝達することが大事ね・・・家族以外の他の身近な人、デイサービスのお世話をして頂いてる人にも忘れずに聞かなくちゃ!!
あぁ。認知症の人は環境の変化に敏感だから、家とデイサービスなどの施設で過ごす時とは態度が変化する人も多いからね。もしそうなれば、細やかな部分だけど施設に行く日と家にいる日とで薬を変えてみたりとかね。それで認知症の人の症状が落ち着く場合もあるんだよ。
医師に頼るだけではなく、介護する人たちと地域の人も参加してコミュニケーションを取り合い連携することが治療する上で大事なんだと理解してくれたかな?
えぇ、納得したわ。じゃぁ、家族もある程度は薬の知識を理解しておくと突然の変化に対処できるわね!!薬の種類ってたくさんあるのかしら?

『認知症の中核症状に作用する薬』

認知症の治療薬には大きく2種類あってね、ひとつは『認知症の中核症状に作用する薬』『認知症の周辺症状に作用する薬』なんだ。
ふんふん。症状が2種類あったようにそれぞれに合った薬があると言うことね!
あぁ、家族の人が薬の知識としてできるだけ知っておいてほしいこことを説明させてもうらうね!

アルツハイマー型認知症の治療薬『アリセプト』

『アリセプト』という薬が認知症の中核症状を緩和するのによく用いられているんだ。このアリセプトはアルツハイマー型認知症の治療薬だけど、レビー小体型認知症などの人にも効果が出るのがわかってて使われたりもするよ。
このアリセプトは脳の中の認知機能に大切な役割をしているアセルチコリンの量を増やす働きがあって、認知症の改善に繋がっているんだ。
『アリセプト』は理解できたわ。薬のせいで症状が悪化するのは副作用があるからよね?
そう!その人に合った適量であれば問題ないと思うし、実際このアリセプトで症状が改善されているからね。けど、副作用があるのも事実だから説明しとくね!

ここに注意!アリセプトの副作用

一番多く見受けられるのは食欲不振・吐き気・嘔吐だよ。
それは服用してすぐに現れるのかしら?
う~ん、少ない量だと大丈夫な人が多いんだけど、量を増やすと出やすいね。まず、アリセプトの処方は3mgからで次に5mgになるけど、3mgの時点で、食欲不振などは現れてくるよ。5mgになるとうつ傾向がひどくなったり、足の震えなどを起こす人もいるね。
もし、酷くなるようだったら使用を辞めてもいいの?その際は状態が戻るのかしら?
確実にアリセプトを飲んでから症状が悪化した場合は医師に相談し、薬の服用をストップすることもあるよ。その場合約1週間ぐらいで以前の症状に戻るかな。
なら少し安心・・・だけど難しいわよね。薬の効果ってすぐに分かるものじゃないでしょ?どのくらい飲み続けて効果をみるのかしら?
認知症は進行性の病気だから現状を維持できているとわかれば薬の効果がでてると判断されるんだよ。なので約3~4ヵ月の服用後に判定するみたいだ。

アリセプト以外の治療薬

アリセプト以外に他に中核症状に作用する薬はないの?
2011年まではアリセプトだけだったけど最近になって認知症の薬として許可された薬がいくつかあるよ!
へぇ!!ほんとに最近なのね?でどれくらいあるの?

ここでは3種類説明させてもらうよ!

レミニール
アリセプトと同じく脳内のアセチルコリンを増やして認知症の症状を改善する薬

リバスタッチパッチ・イクセロンパッチ
貼り薬という大きな特徴があり、飲み込む行為がしにくい人には最適だね。貼った場所が赤くなったり、かゆみが出る場合もあるよ。

メマリー
脳の神経細胞の障害はグルタミン酸が過剰に増加するからと言われており、それを抑える薬として開発されたんだ。これにより記憶障害や学習障害が改善されると言われているよ。他の薬と併用しながら服用する場合もあるね。周辺症状に作用される治療薬でもあるよ。

『認知症の周辺症状に作用する薬』

周辺症状を抑える薬は色々あってね、

うつ状態の気分に対しては「抗うつ薬」
トリプタノール、アモキサン、トフラニール、テトラミド、ルジオミール、パキシル

気分を安定させるのに対しては「気分安定薬」
リーマス、デパケン

不安な気持ちに対しては「抗不安薬」
リーゼ・デパス、ワイパックス、レキソタン、セルシン

睡眠障害に対しては「睡眠薬」
アモバン、レンドルミン、ハルシオン、サイレース、ネルボン、ドラール

パーキンソン症状に対しては「抗パーキンソン病薬」
メネシット、エフピー、パーロデル、ビ・シフロール

それぞれにやっぱり副作用もあるから、よく認知症の人の症状を観察しながらの服用になるかな。

いやーー!そんなにたくさん薬の種類なんて私覚えられないわ!!
あーっ、ごめんね。名前を出したのは具体例としてだから、名前を覚える必要は医者じゃないんだから必要はないよ!ただ、それぞれの症状に対して細かく薬の種類もあることを知っておいて欲しかったんだ。
そーゆー意味ね!了解しましたぁ。
数十年前に比べると治療薬も増え症状の改善に有効な薬もあるけれど、同じように副作用のリスクが付きまとうこともたしかだね。ところで漢方薬は使ったことがあるかい?
あるわよ!!一度だけど、風邪が長引いたときに病院で処方してもらったわ。けど、即効性はなくて、効いたかどうかいまいち不明・・・・

漢方薬やサプリメントもうまく使おう

正直な回答ありがとう!認知症の治療法でも漢方薬を用いる場合もあるんだ。それには副作用が少ないからね。けど、さっき言ってくれたように効果がはっきりとしない点なんだ。だから、他の薬を使用した結果、副作用がひどくなったために使用するケースが今は多いかな・・・
やっぱりそうなんだ・・・確かに副作用が少ないのならいいけど、効果がわからないとなると何のために飲んでるのなかと思ってしまうわ!

ほら、最近は食べ物から摂取しにくい栄養分をサプリメントなどで補給しよと薬局などで販売しているのを見かけるけど、サプリメントなどは、治療のひとつとして考えられないのかしら?

そうだね。予防の章でもお話したけど認知症と食べ物には深い関係があると最近の研究でも明らかになっているからね。サプリメントはいわゆる健康食品なわけで、医薬品ではないことは知ってるよね。

医師などはそれに対して抵抗がある人も多いから医療の中では普及しにくいかもしれないが、僕としてはサプリメントを用いて認知症に大きな効果が出たと報告を受けたこともあり、サプリメントをうまく用いることには賛成だな!

へぇ!!そんなことがあるんだ!!漢方薬よりサプリメントのほうが少し敷居が低く感じて無理なく手をだせそうだわ!

理解ある医師のもとでの総合的な指示を得よう

でも漢方薬もサプリメンも医師の判断のもと治療を行ったうえでの話しだから、担当医師が薬剤と同じく理解が得られるかで、状況も変わってくるだろうね。僕はぜひ理解ある医師が増えていければと思うよ!
ほうとうね~~~まだまだ認知症の治療には希望の光が差し込んできそうな予感・・・いろいろとご説明していただきありがとう!
おぅっと!!今まとめに入ろうとしてたね~~実はまだもう少し治療について話しておきたいことがあるんだよ。けど長くなってきたから次回においておくよ!!
えへへへっ。バレましたぁ!?次回楽しみにしてまぁす!!