老人ホームの負担費用のイメージ

高齢者が暮らしていく上で欠かせない施設にもなっている老人ホームですが、さまざまなサービスを提供する以上、入居者はそれなりの費用を支払う必要があります。

施設によって費用は大きく異なるだけに、入居施設選びに頭を悩ませてしまうことも少なくないもの。
ここでは、老人ホームの種類と、一般的な目安費用をご紹介します。

老人ホームの種類と費用の違い

老人ホームには、有料老人ホームと老人福祉施設の2種類があります。

老人ホームの種類

有料老人ホームは老人福祉法第29条に規定されており、65歳以上の高齢者に生活サービスを提供することを目的としています。3つの種別に分かれていますが、いずれも民間事業者が運営しているため、老人福祉施設よりも全体的に費用が高くなるのが特徴です。
月額費用は12万円から30万円程度ですが、施設によって初期費用の差がおおきくなっています。

1.介護付き有料老人ホーム

老人ホーム施設で最も一般的なのが介護付きで、介護サービスを施設内で働くスタッフが提供する施設です。要介護度の幅は施設によって幅広く、利用者さんが多いのが特徴。
他施設との区別化をはかるため、設備やレクリエーションなどが充実しているところが多数ありますが、その分費用が高めになることもあります。

2.住宅型有料老人ホーム

介護付有料老人ホームよりも、要介護度が軽度な人が利用するための施設です。
利用者さんの自立を支援しつつ、介護が必要になった場合は訪問介護などの在宅介護サービスを利用することになります。しかしこれらサービスを利用すると費用の負担が増えてしまうため、要介護度が重度になった場合には施設利用そのものが難しくなるでしょう。

3.健康型有料老人ホーム

介護の必要がほとんどのない利用者さんが、自立しつつ健康維持・管理を行うことを目的とした施設です。
家事などのサービスのほとんどをスタッフに頼むことができ、自身のやりたいことに専念することが可能ですが、要介護度が重度になった場合は施設を退去する必要があります。
このタイプの施設は全体的に少なく、需要もわずかしかありません。

老人福祉施設は老人福祉法第5条の3に規定されており、7つの種別(老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター)に分かれています。
有料老人ホームと違い費用はかなり安くおさえられますが、個室が少ない、入居難易度が高いなどの問題もあります。
月額費用は5万円から15万円程度が一般的で、初期費用がかからないところがほとんどですが、福祉施設によって異なりますからよく確認するようにしましょう。

サービスを優先するか費用を優先するか

負担、高齢化社会

基本的にどの老人ホームも、サービスが良くなれば良くなるほど費用は上がる傾向にあります。そのためより良いサービスを求める場合は、民間事業者の運営する有料老人ホームの方が選択肢は広がるでしょう。
しかし実際には、費用を家族が負担するケースも少なくなく、その負担は予想以上に大きくなることから、優先的に老人福祉施設を検討するのが妥当といえます。
どちらを選ぶにしろ、利用者さんが過ごしやすい状況を第一に考えることが重要になるでしょう。