介護保険料とは

介護保険料の基準額の地域差

ねえねえ、こないだテレビでね 介護保険料は住んでいる地域によって払う額が違うって言ってたんだけど、本当なの?
それは本当だよ。介護保険は市町村単位で運営されているからね。市町村によって必要な総介護費用も違うし、被保険者の数も違うから当然保険料も地域差が出てくるよ。
へぇそうなんだ。どれぐらい差があるものなの?
ちょうど保険料のランキング表があるから見てみようか。

ただし、これは65歳以上の第1号被保険者の場合だからね。40歳以上65歳未満の第2号被保険者の場合はまた変わってくるからね。

介護保険料基準額が安いランキング市町村ベスト5

順位 市町村 介護保険料の基準額
(月額)
1位 千葉県 四街道市 3,200円
2位 埼玉県 志木市 3,299円
3位 北海道 登別市 3,500円
3位 宮城県 石巻市 3,500円
5位 千葉県 八千代市 3,530円

平成24年度~平成26年度データ

介護保険料基準額が高いランキング市町村ベスト5

順位 市町村 介護保険料の基準額
(月額)
1位 福岡県 田川市 6,589円
2位 新潟県 上越市 6,525円
3位 福岡県 嘉麻市 6,500円
4位 沖縄県 宮古島市 6,400円
5位 沖縄県 石垣市 6,352円

平成24年度~平成26年度データ

一番高いところと安いところでは、2倍以上違ってくるのね。

イメージ的には高齢者の多い地域の方が介護保険料が高くなりそうな気がするんだけど、このランキング表を見ると、そうでもないのかしら?

いや、だいたいその予想は当たっているよ。

まず介護保険料が安い地域の特徴を調べたところ、2つの特徴があったんだ。

一つはやはり、高齢者の人口割合が少ないつまり若者が多い地域だよ。介護サービスを多く使うのは高齢者だからね。高齢者が少ない地域は、総介護サービス費用も少なくて済むということになる。

うんうん。それは納得できるわ。もう一つの特徴は何なの?
二つ目は、山間部など超田舎の地域だよ。
え!? 山間部こそ高齢者が多いんじゃないの?
うん!そうなんだけど、山間部はそもそも介護サービス事業所自体が少ないから、介護サービスを使おうにも使えないというわけさ。使わなければ、お金はかからないからね。
なるほど・・・そこには気がつかなかった。じゃあ逆に保険料が高い地域の特徴は?
介護保険料が高い地域の特徴は、さっきとは反対でまず高齢者の割合が高い地域。これはもう説明はいらないね。

そして、もう一つの特徴はズバリ「沖縄

沖縄だけ全国でもとりわけ高齢者の割合が少ない地域にも関わらず、介護保険料は高いんだ。

へえそうなんだ。沖縄だけ・・・?
でも、沖縄っていったら長寿の県じゃない! やっぱりお年寄りが多いんじゃないの?
いや長寿の高齢者は多いけど、県民全体からみた高齢者の割合は少ないんだ。沖縄は出生率は全国1位だし、他県から移り住む若い人も多いから、他の県より平均年齢は若いんだ。
ふーん、じゃあ何で介護保険料が高くなるのかしら?不思議だわ・・・
考えられる理由としては、介護サービスを利用する頻度が高いからじゃないかな。介護サービスは高齢になればなるほど、利用する頻度が高まるというデータがあるんだ。

沖縄は超高齢の方が多いから、その分介護サービスを利用する頻度も高いのかもしれない・・・

それとあとは県民性かな。もともと社交的だから、高齢になってもデイサービスみたいな人の集まるところに行くのが好きな人が多いのかもしれない。

なるほど・・・私の亡くなったおじいちゃんなんかは、晩年はほとんど家から外出しなかったわ。出るのも嫌がっていたし。

沖縄の人はその辺りが違うのかもしれないわね。

地域差を解消するには

でも住んでいる地域によって保険料が2倍以上違うのは不公平な感じがするわ。これは何とかならないのかしら?
うーん、例えば介護サービスを利用する人の自己負担率を高くすれば、介護保険の支出は減るから保険料は安くなるだろうね。
利用者の負担を増やすのはちょっと・・・・
そうだね。この方法だと誰もが安心して老後をおくれる社会を目指した介護保険制度の本来の目的と離れてしまうね。

介護がどうしても必要な方が、介護を受けられなくなってしまう可能性もあるしね。

そうだ! 介護保険料の財源は国が一元管理するというのはどうかしら?
実際の運営は今のままの市町村単位にしておいて、財源だけ国が一括で管理するの。そうすれば、地域による差がなくなって公平になるわ。
なるほど。確かにそうだね。でも、また中央にお金の権限を集中させるといろいろな問題も出てきそうだな・・・

インターネットやIT技術の進化で、そういう管理もできなくはないんだろうけどね・・・

保険料が高いからって住む場所を変えるわけにはいかないものね。保険料はなるべく平等にして欲しいけど、その前に保険料が闇雲に高くならないように皆で方法を考える方が先なのかもしれない・・・
僕もそう思うよ。難しい問題だね・・・・

最後にこのページの説明を補完する参考データを載せておくから見てみて。

介護保険料が安い市町村100以内にはいっている数の地域ランキング

順位 都道府県 市町村数
1位 千葉県 15
1位 埼玉県 15
3位 北海道 11
4位 愛知県 10
5位 茨城県 7
6位 神奈川県 6
7位 静岡県 5

保険料の安い市町村ベスト20のうち、山間部などを除いた地域の平均高齢化順位は全国812市町村の中で640位

介護保険料が高い市町村100以内にはいっている数の地域ランキング

順位 都道府県 市町村数
1位 沖縄県 10
2位 青森県 7
2位 石川県 7
4位 新潟県 6
4位 大分県 6
4位 広島県 6
4位 三重県 6
8位 秋田県 5
8位 和歌山県 5

保険料の高い市町村ベスト20のうち、沖縄を除いた地域の平均高齢化順位は全国812市町村の中で243位

関連リンク

5分で読める介護保険のしくみ【初心者向け】
介護保険料ってどのぐらい払えばいいの?